スミツキパーレンの世界

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【映画】元映画館スタッフが語る!困った出来事#1

皆さんは、映画館で映画を観ますか?

私は映画の世界が大好きで高校卒業後、20代後半まで渋谷の映画館でアルバイトをしていました。好きな事を仕事にしていましたが、楽しいだけではありませんでした。そんな実際の体験談を語ろうかなと思います。

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1週間で打ち切りに!!苦情が殺到!!

私が映画館で働いていたのは、もう今から15年以上前なので今は事情が違うかもしれませんが、 映画は約4週上映すれば問題なしとみなされてました。その映画が大ヒットすればロングラン上映となり、その後も映画館で上映されます。レオナルド・ディカプリオ主演の「タイタニック」や宮崎 駿監督の「千と千尋の神隠し」などは1年以上のロングラン上映となり話題になりましたよね。

 

しかし中には、驚くくらい興行が振るわない作品もあり、あえて映画のタイトルは言いませんが、なんと1週間で打ち切りになってしまったケースもありました。どれくらい酷かったかというと、一回の上映でお客さんが10人も入らず、ある日の最終回では来場者なし、0人なんて有り様でした。(その場合、本篇が始まって十数分経過しても来場者がいなければ上映を中止し営業終了となります)

 

そうなると事情が変わってきます。まったくお客さんがこない映画を興行し続けても売上にならない。人件費などのコストを考えると打ち切りにして、別の映画を上映した方が良いのでは?と判断します。しかし、その判断を決定しているのは劇場で働いている人間ではないのです。

 

ひたすら謝る現場スタッフ・・・・

私がアルバイトをしていたのは、1つの施設に複数のスクリーンがあるシネコンではなく、昔からある有名な映画会社の直営館でした。なので、どの作品を上映するか、いつまで上映するかという判断はすべて本社が決めていました。いくらお客さんが来ない作品でも、最低2週間は上映していたのですが、その作品にいたっては1週間で打ち切るという指示が出されました。

 

今はネット社会、緊急・重要なお知らせ等はWeb上ですぐに告知ができ、お客さんも最新情報をすぐにチェックできます。しかし当時の映画館情報はぴあや東京ウォーカーなど週刊雑誌のみ。締め切りに間に合わなければ最新の情報を提供できません。そうなると想像できますよね、まだ上映していると思って公開2週目に映画館に来たら、打ち切りになっていて観れないという事になるんです。

 

劇場スタッフ側からすれば、「3週、最低でも2週は上映すべき」という考えなんですが、本社は「NO」。本社の指示は絶対だったので従うしかありません。当たり前ですが、苦情は殺到です。「せっかく電車賃払ってここまできたのにどういうことよ!」「前売り券買ってあるんだけど!払い戻ししてくれるんでしょ?」もう当たり前のお言葉なんで謝るしかありません。電話口でもかなり怒鳴られました。

 

 ちなみに毎回ではないのですが、キャパ的に大きな映画館で公開スタートし興行が振るわない作品は打ち切りになったあと、全く上映しなくなるのではなく小さめの映画館で続映されることがあります。なので「当劇場でご購入された前売り券を、そちらの映画館で利用する事ができます」と案内します。とはいえお客様からすれば、その映画館の場所が遠かったら行きたくないですよね。

 

重複しますが、私が働いていた頃と今の映画館とでは事情が違います。

今のが映画を観るのに環境が整っているので、どんどん足を運んでほしいなと思います。